……その日、一人の男が流刻園に現れた。 男は一つの決意を胸に秘めていた。 ――全て壊してやる。 それは、男が最後に抱いた、破滅的な思いだった。 夕陽が眩しい空に雷鳴が轟き、 辺りは次第に闇を濃くしていく。 | |
少年と少女は、流刻園の教室で語り合っていた。 雷鳴が合図だったように、そろそろ帰ろうと 告げる少女に、少年は少し慌てて言う。 自分は屋上に呼び出されているのだと。 それを聞いた少女は、不安そうに顔を曇らせる。 | |
屋上に現れる『仮面の男』に気をつけて。 それは、流刻園に伝わる七不思議の一つだった。 所詮噂話だと笑う少年に、少女も微笑む。 しかし、屋上へ辿り着いた少年は、 そこで確かに仮面の男と出遭い、そして――。 |