――つがいのトキを目にした恋人たちは、必ず結ばれる。 野生の鳥が多く生息する、山奥の小さな村、鴇村(ときむら)。 そこは人口が数十人という、秘境のような場所 だけれど、村人たちは毎日を懸命に生きている。 そして、子どもたち――俺たちもまた、平穏に、 幸せに日々を過ごしている。 | |
この村には、鳥に関する言い伝えがいくつかある。 それは、ほんのり甘いものであったり、 或いは寂しいものであったり。 そんな中で、恋という戸惑いを受け止め、 成長していく僕らの青春は、 甘い言い伝えのように、現実のものとなるのだろうか。 | |